Wednesday, April 6, 2016

VOGUE JAPAN 刊行200回記念 ローラ登場

どうも、ムサシの中の人 ミノミヤビです。今日は僕が筆を執ります。



もう先月にもなりますが、仕事でVOGUE JAPAN様の映像に関わるお仕事をさせていただきました。

VOGUE JAPANは発刊200号を記念して特典映像を作る!ということで、プロデューサーから絵コンテ(ストーリーボード)の仕事でした。

産経ニュース記事:
http://www.sankei.com/economy/news/160226/prl1602260024-n1.html

そのプロデューサーとは、多くのハリウッドセレブを手掛けてきたカート・イスワリエンコ(Kurt Iswarienko)氏。 やわらかく親しみやすい雰囲気ながら風格があり、表現が豊かなのもあって、絵コンテの制作も極めてスムーズに進み、予定通り撮影に渡すことができました。
(シンプルな絵コンテだったので、もしかしたらカート氏がディテールを吸収してくれたのかも?? >_<)
ちなみにカート氏の奥さんは 「ビバリーヒルズ高校白書 / 青春白書」のブレンダことシャナン・ドハーテイ(Shannen Doherty)氏。

メイキング:


アニメーター/イラストレーターとして日頃、室内でちまちまと作業することの多い自分が、あまりこういった種の仕事を請けることはありませんでしたが、ここ数年少しずつ撒いてきた「種」が芽を出し始めたのかもしれません。

僕もあと5日足らずで、37歳になります。 自分を語るにはまだまだなすべきことが多すぎてムズかゆいのですが、ずっとモットーにしていること 「1をやって10を学ぶ」

ミノミヤビ 個人でできることと、みんなで力を合わせてできることの違い。
ウォルト・ディズニー・イメージニアリングでの仕事の後、去年秋まで1年程働いていたベンチャー会社で、そのスケールの差や、集団で働くことの難しさ、信頼やコミュニケーションの強さと怖さ、また人間の多様性など、まさにたった1年の間に10…いやそれ以上のたくさんのことを学びました。

新たに誕生日を迎える今、その学んだことを生かして、色々な人と化学反応を起こして行く年にしたいなと考えています。

Wednesday, December 23, 2015

アンタが本気ならアンタにゃ愛がある

デッドライン間近、コンツメ作業でちょっと着火中のムサシです。 結論から言うと、「個人の利益」 ひとりひとりが これどまりなんだろうね。
若い世代だけじゃなくて、社会がそうなったおかげで
我々以上の世代も「そうしなきゃ世の中が・・」と順応しはじめてしまっている。

Q.「それじゃまずいの?」
A.「その質問でわかった。ようは自分のやってることに本気じゃないんだね」

自覚がにじみ出てないのに、夢とか語ってもなんも人に響かない。
仕事重視なら、語らずに黙ってずっと仕事すればいいと思う。
それか、キリギリスに徹してずっと面白おかしくお祭り騒ぎしていればいいと思う。

この番組、2年前からやってたんだね。
今どきこの手、まだやろうって気が合ったんだね局も世の中も。
冒頭の富田マネージャーの叩かれように苦情が殺到したそうだけど、
社会(苦情側)が順応して、劣化したからなんだろうね。

相手から聞かれるまえに自分から動く意味。
イマ世代に分かる人はどれくらいいるだろう?
動きすぎて口数多すぎて、てんで的外れなのも、
頼む!巻き込まず一人でやっていてくれって思う。

全部とは言わないけど、事実多い。この業界の後輩世代にも とにかく多い。
坂上忍はそれほど好きではないけど、「なぁ?おい!」って言う気持ちは、
とってもとってもよくわかる。殺しちゃダメだけど、まぁこっちがwasteすると
そんな気持ちになるよね。 上司のために動く部下の価値ってホント大きいね。
早く部下や後輩をつけて、逆の立場で学ばせようとかいう所もある
みたいだけど、それでも変わらないと思う。
成り上げられた本人にその印象が理解できないから。

こういうのって、上の<気付く>世代が言いっぱなしで、歴史は繰り返す。
でも僕らが<気付かない>年頃は、そのときは分かっていなくても
「何かがまずいんだろうな」 ということはせめて自覚して身を引いた。
口答えするってことは、こちらが正しいことを認めてもらおうってことだもんね。
分かってほしいのなら、事実を話すだけで「でも~」は言わなくていい。
逆ギレって?悪ノリって何?論外なので、今は確実に社会も人も商品も劣化してる。

おおかたの日本のアニメーション劣化も、少なからずここに原因があるのでは。
ビジュアルもストーリーも色も、全く引っ掛かりのないものが、なぜか人気が出る。
それをそっちのケで、広告ばかり熱入れて人を集めようとする滑稽さは、当然
当人たちは気づいてはいない。

最初にも書いたけど、この「今どきのやつは~」路線の話で、
考えるべき最も生産的なポイント:

事業、芸能、制作、どんな分野でも、われわれ個人が
携わっている仕事を真から愛して、より追究する気持ちがあるのなら、
相手が違和感を感じることは起こらないし、起きても後でケリをつけられる。
相手の顔色をうかがわずに、自分の行動に自信が持てる。
そしてその自信は自然にわかる。演じないで、なればいいのになって思う。

「メールだけで済ます」、「陰で勉強する意味が分からない」
「向かっている方向も自覚せずに勉強・練習している"つもり"になっている」
「人に会わないで済むからこの程度でいいだろう」
社会はこれを受け入れるように順応したのだから、我々プレゼンター
(サラリーマン含む)が行動に出してゆかなければ、低きに流れ続けてゆく。

こんなのをぶら下げたまま、陰で笑われながら
年を取らないように、順応社会に貢献しないように、
自分も気を付けて生きてこう。

Wednesday, December 9, 2015

うわさのDOREI★

おはよう、ムサシです。
カリフォルニアも、風邪がまん延しているようで・・

特に同級生や同僚が風邪ひくと、「うあ、まじか頼む早く治して><」
その視線は、すまん正しいのです>< 早く治そうぜっ
手洗いうがい、食事十分、寝冷えしないように
重装備で体に十分な休養を与えて、どうかご自愛ください。


表題がなんかイカれてますが、あえてsalyuちゃんの曲に影響をうけてみました( 'д`)
今日のお題は、前回に続きスライム攻略その② 噂の奴隷にならないためには?


人をいじめるやつは、よくない。
いじめられるやつも、いじめられるやつだ。
なんて言ったりします。

しかし、もっとタチの悪いのは、
「そうだそうだ」とどちらかに加勢してしまう存在。

こうしたソウダー村の村民たちの大半は、ことの真相をはっきりと
知らぬまま、どちらかの意見に加勢してしまっている人々です。

それも
知らずうちに自分たちが、場の空気を作ってしまっていることに
なかなか気づかない無邪気な村民たちです。
小さく小突かれただけのツッコミが、やがて周りも同じように
小突き始め、やがていじめへと発展します。
これは困ったことです。


「The Cove」という映画があります。

以前ムサシも、この映画のプロジェクトに関係する仕事を依頼されたことがあります。
 「The Cove」という映画は、日本の太地町で
行われている捕鯨、イルカの追い込み漁に対するドキュメンタリーで、
太地町のみならず「日本人はイルカを殺し捕食している」という誤ったイメージを
映画によって、世界大衆に植え付けてしまいました。

イルカはかわいい。頭が良い。殺すなんて食べるなんてありえない。
世界の半分以上は、おそらくこう考えている人が多いと思います。
それがゆえに、映画を見た人々は太地町に、さらには日本に反感を持つ。
イルカを愛しているんだし、一般的な印象で判断することに間違いはありません。
しかし、たくさんの人が口々に言った結果、どうでしょう?
やがて世論となり、政治家まで出てきてしまって、
世界が日本に冷たいまなざしを向ける空気を作ってしまいました。
映画を視聴した世間一般の人たちが、そうだそうだと声をあげるたびに
噂の奴隷に成り下がってしまっていることがよくわかります。

何より、彼らがこの空気を作ってしまったという自覚と責任が全くないという事実。



かなしいけど、これが現実社会なのよね。
(「機動戦士ガンダム」 スレッガー・ロウ中尉へ敬意をこめて)

映画を見て、いろいろメディアの反響を見た結果、この仕事依頼は
ギャラも何も確認するまでもなく、一切断りました。


あなたは、友達とちょっといざこざしてしまった。

その友達は、あなたへの感情をあらわに周囲の人に訴えかける。
あなたに対するネガティブなイメージが、どんどん周囲に広まっていく。

あなたに非があっても、なくても、関係のない人たちにまで
ネガティブに思われては、たまったもんじゃない。
何とかしなくちゃ。だけど、これだけ広まった今しゃしゃり出ては
正しい弁解も、ただの取り繕いや言い訳に聞こえてしまう。

ウワサとは、こんな感じで広まっていくのではないでしょうか。
ウワサの正誤は、あまり重要ではなかったりします。

その昔ムサシも、こんな具合に友達の半分以上をなくした経験があります。

ムサシ「おす@@!元気か」
友1 「・・・お前、ウワサになってんぞ」
友2 「○×◇って、本当なの?」

いきなりこんな切り出し方されると、さすがにビビりますよね。

留学中のことでした。ある友達と学校のプロジェクトで揉めて、
相手が知らずうちに触れ回ったことで尾ひれがつき、果てには
プライベートのことなど根も葉もないことまでデッチあげられ、
あげくには第三者からこんなことを言われるほどにまでなってしまいました。

あんなことは初めてだったし、本当にどうしてよいかわからなかった。
こんなときはどうしたらよいか。意味の分からない状況を正したいけれど・・・

じっくり考えました。

その結果、余計なアクションは起こさず、じっと構えることにしました。

一切クチを開かないわけではありません。
聞かれたらもちろん事の成り行きをきちんと話すけれど、
大まかには、大衆世論の動きにまかせて、ひとりひとりの判断に賭けることにしました。
状況に翻弄されてアクションを起こすと、何か後ろめたいのかなととられがち。
自分がしていることに自信があれば、周りの人たちも信頼で判断してくれるはず。

ちなみに、ここで「どうなの?」と聞いてくれた
友達にまで感情をぶちまけてはいけません。

どんなに良心的な相手でも、感情で話せば感情の波がたちます。
ひとつずつ順番に、あったことを話すことが大事
このひとつずつの大切さも、最近の経験と交えてのちのち書くと思います。

ただ、この「じっと構える」にはかなりの時間を要することが多いです。
ムサシもこの一件では、半年くらいかかりました・・・
「お前はそんなやつじゃないと、思ってたよ」
「俺らを同じにすんなよ、当たり前じゃん」

しまいの方ではそんな言葉が、噂自体を圧倒していきました。
なかには 「正直、どっちでもいいし 笑」 という人もいました。
この「どっちでもいい」「興味がない」人たちの中にも
「ああそれ聞いたよ。なんかあいつ、そうらしいね」
本人の自覚なく無邪気に人に拍車をかけてしまっていたりもします。

それでもムサシなりの結論は
地震から避難するように、じっとしているに限ると思います。
やがて心ある人たちの中に、その噂って本当なのか?という疑問が宿り、
徐々に誤った情報を浄化していく・・・
なんだか、かっこいいじゃないですか!

それに、世の中そんな自然の流れが、ちゃんとあるように思います。

そのためにも、日々堂々とお天道様に胸張って歩けるように生きていきましょう!

ということで・・あともよろしく 昼飯の調達としけこみます。わんわん!

Tuesday, December 8, 2015

トークのレベル?

冷えて、乾く季節です。
鼻のしめり具合は、犬にとって健康の証。
ムサシも、乾かさないように日々心がけています。

人間たちももっと、手洗いうがいのオールマイティさに気づくべきだと思う。


さて思考というものは常に流動的で、どこから書いていいかと
思っているうちに流れていくというのが、今まででして・・。

ときどき思っていたことも、こうして触れた折に書きましょう。
今日は、トークにレベルなんてあるの? というお話。

答: ない! だからドラクエみたいにレベルアップしてスキルつけることでもない。

あっても、スライム退治程度の基本レベルの繰り返しなもんでしょう・・。


あなたの友達が「僕の会社のロゴほしいなぁ」と言っていたとします。
あなたは「おおそれなら」と、ちょうど頼れそうなデザイナーがいるので、二人を紹介しあいました。

この人、ちょっと名の知れたプロのデザイナー。

友達とデザイナーは、ちょっと話してみたけれど、希望のワリに合わない・・・
そして友達も忙しく連絡もしないうちに日が流れる。

デザイナーは「おまえ紹介してくれたあの人、あれっきり連絡ないんだけど?」
仕事になると期待したデザイナーは、放置されてちょっと困っているようです。

あなたは、良かれと思ってつなげた二人のために、なんだか文句を言われてしまった。
友達は、結局頼れそうな人も見つからず いつまでたってもロゴができない。
デザイナーは、ちょい期待外れでがっかり。
もしかしたら、連絡も落とし前がなく、ぞんざいに扱われた気がしてナナメってるかも。


このままでは、誰一人いい気がしません。
もやっとした分、損してるような・・。

ここでキーになるのは、

紹介された友達からの、ほんのちょっとした言葉があるかないか。

「ごめん、ちょっと考えさせてもらっていい?」

「ちょっと希望とあわないんだけど・・もうちょっと○○ってできない?」

「ごめん、あわないので今回は自分で何とかしてみます!」

これだけなのです。

この言葉を、すぐに伝えなくちゃ!と思い連絡をしたあなたは、スライム倒せています。

倒せなくても、大丈夫。
そういう人はいいトシしていっぱいいるから 今わかったので、次から大丈夫ってことで!


そんなとこ気にするの? 細かすぎない??

人にはいろいろな尺度とか性格の差があって・・プライドとか、感受性とか。
しかし、
ことの些細さと必要性とを取り違えてはいけない
むしろ、個体差があるからこそ なおさら大事なのではないでしょうか?


ここで本題に戻って、トークのレベルってあるのか?という話。

レベルはないと言いました。
スライム倒す経験値は必要かもしれないけど、高度なスキルがいるもんでもない。
言いにくいとか、面倒ということより、伝えればみんな進むことができる。
そういう素直さをそのまま出せばよいということだと思う。

「こう言ったら、嫌に思うと思って言えなかったから・・・」とか。
「言わなくても、わかるかなと思ったから・・・」とか。

コミュニケーションの中で、もっともハマりやすい落とし穴、それは
勝手な憶測をすること

言葉があるんだから、先に見えない壁を作らずにクエリをしようよ。

ちょっと難しい言葉を使いました。
クエリ (query)というのは、コンピュータ・プログラムでよく出てくるIT用語です。

一般の会話の中で言えば、
~~はどうですか? こうしましょうか?
こうしたら、まずいですか? 今なにかできることはありますか?

相談に近いものとして、ムサシはこの言葉、よく使っています。

ビジネス会話はホウレンソウなんて、死語か?のごとく頻繁に聞くと思います。
報告でも、連絡でもない、けど伝えた方がいい なんかもあもあ。
そんなときは、相談すればいい。
相談なんてほどのもんでもなければ、とりあえず世間話でもしてみればいいのです。

そのうち
「あっ この間聞いたロゴの件だけど、まだ煮詰まってなくて」
と切り出せて、「おぅ あのイメージと予算じゃ、なんかまずかった?」
なんて具合に潤滑してゆく。


スライムだからって無視すると噛まれるもんで。。
なかなか侮れない。でも人間、うまく回らないってのもわかります。

そんなスライム攻略のススメその①でした。 かしこのムサシ わふっ

Monday, December 7, 2015

「ザマ見ろぃ人間はね、理屈なんかじゃ動かねえんだよ。」

寅さんの名台詞。

こんばんは、ムサシ(雑種♂)です。
寅さんじゃないけど、またちょっと屋敷に帰っておりやす。

ここ数年は横目でやり過ごしてたんだけど・・
書くのもアップも楽になって、シェアの手も増えたことで
最近の感動シェア記事も、いよいよ言葉のスキルが落ちてみじめだなぁと
思うようになってきた。 ニュース記事も私語が乱列してひどいもんで・・

・金言化
 もっともらしい言葉は、人がいった言葉として価値づける。

・お涙ちょうだいタイム
 残念ながら最近では、たいていの記事が、これ最後に来ます。そして冗長的。
 あっさり作り話と思われたり、見破られたりします。

作り話でも活力になればいい、それは賛成だけど、
視聴者は自分が思うよりスマートと思った方がいい。

それに自分の人生みんな大事なんだし、生きてれば
ネタもそんなに無いってほどでもないでしょう・・。

まあかくいう自分も、タクアン和尚と一人二役やってたけど。


「それ、ひとにシェアしていったら 絶対読む人いると思うよ」
昨日ひとと話していて、はじめて面と向かって言われました。

うーん、、そうは言われても・・。
ブログというものが定着しはじめた15年くらい前、
それまでHP屋さんはみな、「日記」ページをつくってせっせと更新するのが常だった。
HTML手打ちで書き込んでアップしたり・・(俺です)
掲示板を日記にしてたテダレもいました。


まとめ記事ブームも下降し始めたので、気を楽にして
また書きたいときに書いていってみよう。

しかし、いまだにシェアしたいというモチベーションは無かったりします・・
でも、あいつらよりはマトモなこと書けると思います。

なにより、日々だれかの生活燃料になればと思います :)

とりあえず今週からまた、がんばりましょう。 わふ!

Sunday, October 26, 2014

都市伝説化する浮世に


ムサシよ、よいか。 おぬしは今、ワシの言うことをよう理解できるようになっておる。 それはワシが言葉のぺてんにかけたのではなく、おぬし自身の力で 庵に籠り 5年もかけて書物を読みつぶしたゆえの真実であること。 大切になされ。 ... さて、おぬしが直面しているものは、 「では、理解なき者や事物と、どう向き合えばよいのか?」 これじゃったな。 「向き合う必要がない」 これは、永劫不動の結論じゃ。 とはいっても、無視しろとか、切り捨てろということではない。 順を追って話していこう。 おぬしは、近頃そのようなことに出会うことが多いと感じるようじゃが それは至って多くなったわけではなく、これまでにもあったことが 鼻につくようになったというだけのことじゃ。 新たな境地に至り、おぬしの意識とは決別した違った世界に映っているからにすぎん。 コジロウじゃったかな? 己の所業と志の矛盾にすら気づかないまま、 おぬしより優位に立とうとする物言い。あやつも変わっとらん。なげかわしいことじゃな。 世の中にまっとうに生きる上で、人には良識というものが芽生える。 その良識の上で、やつは自己確立しているつもりになっているだけで、 「背伸び」をしていると印象づけていることには気づいてはおらん。 しかし、それはやつがおぬしに及ばぬということを露呈したことであり、 己の意志と周囲の印象の間に大きな違いができてしまっているのは、自明じゃろう? 「経営者になりたい」やつがそう言って訪ねてきてから1年になるが、 やつのしておることを、見てみるといい。その歩みは目標に近づいておるか? 無知なる者を囲い込み、ぺてんにかけて物を売る商売を、誰が聖職者と思えようか? 哀しいかな、笑われていることにも気づいていない なれの果てじゃ。 あの頼れるオコウも、老いてもなお無駄な余生を費やしておる。 おぬしを酒池肉林に遊び歩いていると根も葉もなく罵るのは、 おぬしが学び奔走する変わりばえから、幼い頃よく屋敷において 世話をしていた思い出にすがる寂しさからじゃろう。 オツメも、その様子ではしゃかりきの生娘に成長したのう。 そもそも多くの時間を費やすほどのことでもないのに、 次々とおぬしを焚きつけるように振舞うのは、このところ 克己の信念に進みつつあるおぬしの才学のほどを知りたいがため、 まずはおぬしを話に巻き込もうと躍起になっておるだけじゃ。 まあおぬしも、ときどきあの娘の旅籠で夜通し酒と肴が食らえるの だから、儲けものじゃろうが。楽しめる領分にだけ、お相手をしてやりなされ。 はてさて、マタハチの早合点は、おぬしもよく知るところじゃろう? 世の神羅万象に、あることないこと真実さながらに話したり、 まだ見ぬ科学の真実を、既存の論も読まずに言葉尻だけに振り回され おぬしを急き立てようとするのは、巷でよく見慣れておる野次馬じゃ。 あやつはやはり、錬金術師になるには程遠いようじゃ。 さて。 今遭遇していることを、おぬしは「理解なき者や事物」と言った。 しかし、そこはもっと俗にとらえてもよい。「理解の要らぬ者や事物」というあんばいでよいのじゃ。 この時勢、世の中にあふれた富と隆盛に退屈し、新たな未知を欲するのは 生物としての性(さが)にすぎん。西洋で言うところの「エゴイズム」じゃ。 近頃、人は都市伝説という娯楽を楽しむようじゃが、あれがよい例じゃ。 発信者は、都市伝説を根拠のない戯言として、娯楽にすぎないとしておるが、 真実味を持たせ人を翻弄するかのように、そのけじめをはっきりと見せない。 ゆえに「信じるか信じないか、あなた次第」という巧みな言葉をもちいるのじゃ。 悠久たる大河には、ときに今のような淀(よど)みも現れる。 このぺてんたる風潮や、おぬしの取るに足りぬ知人こそ、まさに淀みの表れじゃろう。 ムサシよ、おぬしの周りに飛び回る蠅どもは、所詮蠅であり人ではない。 したがって、必要なのは向き合うことではなく、ともに生きよということじゃ。 おぬしのように才学あり、将来に明るい者ばかりではない。 おぬしはそれに首を振れば、同じ穴の狢(むじな)となってしまうぞ。 おぬしがそれを、少なくとも切磋琢磨の相手ではなく ただの蠅ととらえ、 その箸で捕まえては捨て、心身の鍛錬に利用すればよいのじゃ。 おぬしは、歳月を積みこの悠久の大河を知りつつある。 着実にその流れを読みながら、わたり始めておる。 訓をくれてやれ。言葉ではなく、おぬしの功をもってな。 おぬしにまともに見つめられていないと悟れば、 その者たちも少しは見込みがあるというもんじゃ。 さて見聞の時間じゃ。ふたたび町へ出向かれよ。

Saturday, October 26, 2013

シゴトの定義。




Q. あなたの仕事を、教えてください。

ムサシ「僕は、絵描き。毎日アトリエで作品をつくってる。」

オツウ「私は、美容師。美容院を営んでるわ。」

コジロー「俺ぁ、会計士。正確には監査法人だ。」

マタハチ「寿司ィ、握ってますヘイ。」

Q. 楽しいですか?

ムサシ「楽しいよ! 生活は苦しいけど、描いてると何もかも忘れられるんだ。こういう実感が生きてる上ですごく大事な時間だと思う。」

オツウ「はいもちろん! 忙しいときもあるけど、同じお客さんが通ってくれたり、髪やりながらお話できたり、ね。」

コジロー「楽しいなんてもんじゃないが、やりがいはあるゼ。人様や会社のお金を管理するのって、例えるならビジネス界の医者、なんてな。カッコイイだろ?」

マタハチ「前からネ、誰かにご馳走すンのが大好きなんスよ。こうして握ってるとネ、お客さんがのぞくんだ。へっへへ、今できやすから、待っててくださいネ~、ってね!」

Q. あなたの仕事で、つらいこととは?

ムサシ「絵描きには2タイプあるんだ。ひとつは自分の作りたいものを作るタイプ。もうひとつはお客の注文をうけてつくるタイプ。僕は前者だけど、これって世間では分かってもらいにくくてさ。毎日毎時間感受性を研ぎ澄まして、アイデアを蓄積して、それをパズルのように組み立てていく。そのうちに表現したかったゴールが埋もれちゃわないように、しっかりとその手綱を握ってなくちゃいけない。僕らは気分で作ってるんじゃなくて、気分によって左右されちゃう、繊細な作業をしなくちゃいけないんだ。見る人は分かるんだよね・・・。ちょっとした妥協で、来月パンだけで過ごさなくちゃいけなくなったりね。はは・・(苦笑)」

オツウ「常連さんがつくまで、それはとても大変でした。今でもそうだけど、ひどいときなんか1日に2人くらいしかお客が入らないときだって、あるのよ。だからもっと自分からお客さんを集めたりもするわ。知り合いにうちのお店勧めたり、知らない人でも「あら素敵な髪!」とか言ってさりげなく口コミしてみたりね。こういうコミュニケーションって、この仕事はほんっと大事。髪はうまく切れても、仏頂面の美容師に切ってもらいたいと思う? 髪の手入れや注文も、人によって要望や、髪や頭皮の健康状態などもあるから大変。忙しい時ほど手が荒くなっちゃうから、そこが一番気のつかいどころね。」

コジロー「そこ聞いてくれてありがとう(苦笑)。とにかく労働時間が長いんだな。うちは残業手当も底ギリラインだし。この仕事は誰でもできるわけじゃなく、キャリアベースのひと握りの人間しかできないんだ。その責任感とストレスとあったらな・・家帰って女房や子供たちの顔見ればホッとはするけど、脳みそや全神経シャットダウン。週末やっと人間として生き返るって感じさ。でもやりがいって、負け惜しみだけで言ってるんじゃない、ホントにあるんだぜ? いろんな顧客も扱うし、そのたびに新しく学ぶことも多い。 やり始めは分からなくても、あとから分かってきて「ああそういうことだったんだ」って。そういう繰り返しでだんだんプロセスの全体が見えてきて、そうするとさらに細かいところまで一つ一つ見えてきて、配慮できるようになる。生活でも効率や工夫って、大切だろう? そういう、生きる知恵になってるんだと思うよ。」

マタハチ「寿司職人っちゃ、修行して一人前になるまで10年はかかるっていいやすが、器用な人間でも5年はかかりやすかね。要は人間10年分くらい、なにか根ツメて努力するってェことじゃないすかね。あたしもだいたい15年は下積みしてたんスが、店の管理諸々、ネタの見方、味のよしあし、ネタの季節の変化や、そのための酢や塩の加減、そういうのをいつも親父にならってここまで来たようなもんでサ。そんな時期が過ぎれば楽なもんだろってよく言われるんスが、そうでもないんスよこれが。うちは代々握ってますから、学生時代はまんま継ぐなんて嫌でしたからねェ。いろんな仕事を転々としながら、気づいたんでさ。そんな中でも寿司屋の息子に生まれたってのは、ありがてぇことなんだって。つらいっちゃ、やっぱりネタの移り変わりをしっかり把握することですかね。1年の中でその時々、同じネタでも"顔"が違うんスよ。あとはじめのうちは寒い季節がきつくてね。冷たい水や湯、酢や塩を触ってるうちに手があかぎれてきやがってね。今になって寿司飯も手につかなくなって、やっと握り手のようなのができてきたんでさ。」

Q. 他の仕事について、どう思いますか?

ムサシ「僕はあまり考えたことないけど、みんな一生懸命にお金稼いで、すごいなって思う。僕のは、一発あててなんぼの世界だからね。」

オツウ「前にスーパーとか、清掃員とかやったんだけど、それぞれに使う力が違うし、やりがいもつらいことも、形が違うけど面白かったわ。」

コジロー「正直うらやましいね。うちほど忙しくない仕事とか。でもやっぱりうちには家族もいるし、お金を稼がないとね。稼いだぶんで飲んだり、週末パーっとさ。これが最高なんだ。わかるだろ? よく、自分のため家族のために動いてる自分を、RPGの勇者みたいにイメージするよ。」

マタハチ「たまにふと、面白そうだな~ってぁ思いますね。でも、新鮮な魚選んだり、寿司を美味しく握ること考えるのに比べたら、他なんてかなわねえッスよ。」

Q. あなたにとって、人生において仕事って何ですか?

ムサシ「生きることの答えそのものだと思う。生きる意味なんて分からない。けど、分からなくても求めながら生きよう。そのための絵だと思う。」

オツウ「生活の土台、張り合い。生活の意味でも、価値の意味でもそう思うわ。そして髪を切るのが仕事なんじゃなくて、なにより私のキャラクターとコミュニケーションをつくる営みっていう感じ。」

コジロー「僕はかっこいいこと言えないけど、「途中経過」かな。これからまだまだキャリアアップしていきたいからな。それは俺だけの話だけど、家族みんなにとって仕事は、幸せづくりそのものだな。」

マタハチ「僕もそんなかっこいいもんじゃないスがね、あえて言うなら「失敗」。 失敗してこそ、人生を学ぶステップ。仕事はそのステップアップの機会を見つける場所。なんてね!へっへへ」


- それぞれに全く違う仕事をする人たち。世の中が毎日回っていく中で、
つらいことも、楽しいことも、価値も、それぞれに形は違えど、
みんなそれぞれにうまいバランスで回っている。
だから、仕事には、苦しい仕事も楽な仕事もないようである。

(以上は、自分を含め実際に4種の職業で活躍されている人たちのお話を参考にしました。)